2013被災地医療支援 福島県:秋山正慶

8/5(月)~8/9(金)に福島県にある、いわき市立総合磐城共立病院に被災地医療支援に行かせていただいたのでご報告させていただきます。

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いわき市立総合磐城共立病院は福島第一原子力発電所から南西に約50kmのところにある、ベッド数830床の地域の中核病院です。手術件数は年間5000例を超え、麻酔科管理症例も年間3500例あります。平成23年10月から震災支援麻酔科医師の派遣が北は旭川医大、南は琉球大と全国の大学病院で行われています。今回は震災時に新婚旅行でハワイにいたために震災当日の被災地の状況を知らなかったことや、大学の外に出て自分の力を試したいという思いから名乗り出ました。

しかし、内心は硬麻が入らなかった時に新美先生を呼べないことや、最後の挿管困難グッズの栗山君が使えない状況に少し緊張していました。

名古屋から電車を三回乗り継ぎ片道5時間かけて当直明けの日曜日に前日inしました。いわき駅は予想より栄えていて、駅前のデパートに三越が入っていてびっくりしました。いわき市立総合磐城共立病院はいわき駅からタクシーで15分の所にありましたが、周囲にはコンビニがなんとかある程度の立地でした。

初日の9時前に病院に到着し、院内を案内してもらい9:40からの麻酔が担当となっていて、初日は腎摘1件でした。

結局5日間で14件の麻酔を担当しましたが、自分が大学で2年と5ヶ月間学んできたことが確実に身に付いてきていると肌で感じることが出来た貴重な機会となりました。また、麻酔科の先生、手術室の看護師も非常に友好的で、2日目には研修医と麻酔科の先生二人と近くのいきつけの居酒屋でお酒を飲みました。

震災当日の手術室の状況を尋ねると、7例中4例が麻酔導入後手術開始前、2例が手術終了間際、1例のみ標本摘出前の状況で、幸い心臓外科が手術中でなかったために地震発生から1時間後には安全な場所に避難できたそうです。翌日からの定期手術はすべて延期とし、災害拠点病院として緊急手術のみを受け入れていたそうです。現在は震災の影響をほとんど感じさませんが、地震や津波で家族を失った人、隣人を失った人達の話を聞き、当日の写真を見せてもらいましたが思わず言葉を失いました。現在は震災前とほとんど変わらない生活が出来ているそうです。

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4日目の8/8(木)はいわき市内で1年で最も盛り上がる、「いわき踊り」の日で病院職員も250人以上参加していました。踊りは18時半に開始となり、医局の代表として恥じないように力強い踊りを披露してきました。その後は病院関係者全体で打ち上げがあり、いわき市長もあいさつに来ていました。

そんなこんなで、よく働き、よく学び、よく遊び、充実した1週間でした。

最後に、1週間大学から離れさせていただき、とても良い経験ができました。月初めで麻酔の人員配置が大変な中、1週間も派遣させてくださった、西田教授、医局員の皆様に心より感謝申し上げます。