専門医プログラム

何を学ぶかではなく、どこで学ぶか

教育こそ全て

当科の理念は『教育こそ全て』。
2年間の初期研修プログラム、4年間の専門医プログラムで得られる臨床経験はもちろん大切なものです。同時に、この4年間の研修期間は人間として最も成長する時期です。我々のプログラムで学んで頂きたいものは、刻々と変わる臨床現場における適切な臨床的判断能力/問題解決能力と、常に進歩する医療・医学に対して、生涯を通じて自己研鑽を継続する向上心です。
刻一刻と目まぐるしく病態が変化する麻酔・集中治療の現場では、適切かつ即時の臨床的判断が求められます。時間をかけて、文献検索・考察をする余裕はありません。あらゆる事態を想定した事前の準備と、個々の病態を瞬時に理解し、治療方針を決定する判断能力が求められます。複雑な病態では、その判断を見誤る場合もありますが、膨大な臨床経験を持つ当科の指導医にとっては、格好の教育材料です。書籍からでは知り得ない、全身管理のエッセンスを教える/学ぶチャンスとなります。
麻酔科専門医プログラムを通じて得られる4年間の臨床経験も大切ですが、人間として成長し、教えることが好きな麻酔科医になって欲しい、そう思っています。

麻酔科専門医プログラムの特徴

我々の麻酔科専門医プログラムの到達目標は、『周術期の全身管理を核として、集中治療・救急・緩和医療・疼痛医療などの幅広い分野において安全で良質な医療を提供する全身管理のスペシャリスト』です。4年間の研修期間中に習得すべき事項として、

  1. 十分な周術期医療および関連診療領域の専門知識と技能
  2. 刻々と変わる臨床現場における,適切な臨床的判断能力,問題解決能力
  3. 医の倫理に配慮し,診療を行う上での適切な態度,習慣
  4. 常に進歩する医療・医学に則して,生涯を通じて研鑽を継続する向上心

を挙げています。
本研修プログラムでは、ほとんどの診療科を有する大規模総合病院としての利点を活かし、麻酔科専門医申請に必要な一般的な麻酔だけでなく、臓器移植・ロボット支援下手術などの幅広い周術期管理を、藤田医科大学病院で一貫した指導のもと研修を受けることができます。

麻酔科専門医研修プログラム

【手術件数実績】
詳細はこちらのページをご覧ください。

多彩な特色を持つ連携施設(一宮西病院,大垣市民病院,豊川市民病院,あいち小児保健医療総合センター,公立西知多総合病院,藤田医科大学ばんたね病院,愛知県がんセンター,南生協病院,名古屋第二赤十字病院,愛知県心身障害者コロニー中央病院)があり、それら施設において大学病院で少ない症例、地域医療の研修を行うことができます。

集中治療専門医 取得コース

藤田医科大学ICUでは、集中治療専門医 取得コースを新規開設しました。

集中治療専門医新制度では、日本集中治療医学会の認定する集中治療専門医研修施設において1年以上の勤務歴6ヶ月以上の連続した専従歴が必要となります。(専従の定義:認定研修施設ICUで週 32 時間以上勤務)
https://www.jsicm.org/about/pdf/4saisoku_new_2021.pdf
集中治療専門医取得を目標としていても、基本領域の専門医資格を持ち第一線で活躍される先生が、認定研修施設ICUで週 32 時間以上勤務かつ6ヶ月以上の連続した勤務実績を積むことは非常に難しいと言わざるを得ません。
集中治療専門医取得を目標とされる先生を対象に集中治療専門医 取得コースを新規開設しました。最短6ヶ月から応募可能です。

当院ICUは18 床・年間入室症例1400例を超える大規模なclosed system ICUです。新生児から高齢者まで、術後・院内急変・他院からの転院搬送など様々な疾患の急性期治療を学ぶことが可能です。急性血液浄化療法、ECMOなどの特殊治療だけでなく、それぞれの疾患に合わせた気道管理、栄養管理、輸液管理、呼吸・循環管理など、全身管理を基礎から経験できます。

募集要項

研修開始時期
要相談
募集人数
若干名
応募資格
集中治療専門医取得を目標とされる方で、日本集中治療学会が指定する専門医資格を有すること
ICU勤務経験が浅い先生でもかまいません。
勤務形態
常勤(給与・勤務形態は当大学病院の規定による)
見学お問合せ
http://fujita-accm.jp/education/inquiry

術前・術中・術後の垣根をなくす、麻酔科医による一貫した周術期管理

当院では、術中管理だけでなく術前・術後管理を麻酔科医が行うため、一貫した周術期管理を学ぶことができます。麻酔科医による一貫した周術期管理により、術前・術中・術後管理の垣根がなくなります。
例えば、Shock状態の症例や多臓器不全などの症例では、手術前から麻酔科医による全身管理が必要になります。手術という予定された外傷に対して、その侵襲を制御して、より早い回復を目指すためには、術式や病態生理だけでなく、術後の全身管理を熟知した麻酔科医による一貫した周術期管理が求められます。
また、予期せぬ術中トラブルで患者の状態が急変した場合も、我々のもとで研修した麻酔科医であれば、術中から術後を見据えた全身管理が可能となります。
急性期の不安定な患者を、一貫して見ることができる医者、それが当院の麻酔科医です。