海外留学体験記:栗山 直英 No.8

くりやまくんの四方山話

【留学先】ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院(MGH)麻酔科

今週はThanksgiving Dayがありました。1620年代に、イギリスからマサチューセッツ プリマスに移住した人たちの多くが過酷な冬の寒さで死ぬなかで、翌年まで生き残った人たちが初めての収穫の秋を神に感謝したことが始まりと言われています。感謝祭は11月の第4木曜日でnational holidayとなっています。多くの州では金曜日も祝日扱いとして大型の連休としているようです。

Turkeyを食べる祝日という印象がありましたが、この日の街は他のnational holidayとはちょっと雰囲気が違い、スーパーなど街全体がお休みになる、日本でいう正月のような雰囲気でした。家族が集まり、絆を再確認するといった日のようです。盆、正月など、古来からある伝統的な行事が疎かにされる日本との違いを感じました。

留学してアメリカ生活の不便さを実感する中で、日本という国、日本人を客観視するようになりました。日本との違い、アメリカで生活する上で考え方を変えなければいけないのが自己責任の考え方です。よく言えば、《何をするのも自由》なのですが、全てにおいて自己責任が生じます。アメリカの人たちは基本的に、皆親切でいつもニコニコ、気軽に挨拶してくれます。わからないことは親切に教えて、頼みごともしやすいですが、、、、何か過程のなかでミスがあると態度がコロッと変わります。自分はbestを尽くした、なんやかんやなど、、、、一生懸命弁解してきます。《責任とれ!》何て言わないから、そんなに必死にならなくても、と思うくらいです。研究のことでの質問も、結局最後はup to you と言われてしまいます。何事においても自己責任、自己責任、自己責任。今の所、大きなトラブルに巻き込まれていませんが、、、ないことを祈るだけですね。《昔、中学生の頃、生活指導の教師に《権利の裏には義務がある》と言われたことを思い出します。》

それと比べて、日本人はとても親切です。事務の人なども親切でいろいろと気を使ってくれます。業者さんたちも親切です。特に困ったときに頼りになります。(こっちではあっさり見捨てられるようなことも親身になってくれます。。。)

日本では、買い物も安心。箱の中身を確認する必要もない。サービスは満点で、それ以上に過剰なくらいサービスがあります。(お店で袋を入り口まで持ってくるのはなんなのですかね?あれの意味は全くわからない)アフターサービスもしっかりしており、安心感があります。一方、アメリカではどんなものでも?大抵の物は返品が可能です。金を返せばいいよね、って感じがして、これもまたシンプルでわかりやすい。ま、慣れの問題なのでしょうが、未だにいろいろと違和感があります。

話は変わりますが、Bostonにはたくさんの東洋人がいます。中華街、韓国スーパー、sushi、ラーメンなどBostonでも亜細亜の勢力を強く感じます。見た目は一緒?なのか、坊主にしてからというものよく中国語で話しかけられます。なんでかな?

私の勝手なイメージですが、中国、韓国の人たちは自国の文化を持ち込み、逞しく生きている気がします。くらべて、日本は愛想笑い(喋れないから笑って誤魔化すしかないからかな?)で、その地の文化に馴染もうとしている感じがします。期間限定の留学が多い日本人医師と、もっと長期的な意気込みでくる人たちとの違いかもしれません。日本人らしく振舞うにはどうしたらいいのか、そもそも日本人らしさってどこなのだろうか?今の自分にあるのだろうか?次回までに考えたいと思います。

今の時点でわかっている日本人らしさ、それは白米がないと生きていけないこと。アメリカの食事は私の体に合いません。すぐに胃がもたれます。無理です。日本の食文化がBostonでも浸透していて非常に助かりますね。ではまた。