海外留学体験記:栗山 直英 No.19

くりやまくんの四方山話

【留学先】ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院(MGH)麻酔科

さて、今週はThanksgiving day、街のマーケットにはTurkey、ちょっと早いですが樅の木がたくさん並んでいます。Thanksgiving day、Black Fridayと世間は連休の様相を呈していますが、昨年同様、今年も仕事をしなければならなくなりそうです。(Thanksgivingなのになんで仕事をしているのだ?とbuilding securityの人に去年言われたことを思い出します)Thanksgiving dayなどアメリカの祝日はお店も休みのところが多く、食材を買いに行くのも非常に困ります。頼みの綱は韓国系のマーケットのみです。未だに慣れない、アメリカ文化、風習。いつになったら慣れることやら。

さて、Bostonで生活していると、たくさんの東洋人を見かけます。しかし、その多くが中国系、韓国系の人です。先日、MGH 日本人会がありました。非常に盛況で、新たな人間関係も構築でき有意義な会でした。しかし、同様の中国人会では数百~千人規模であったとか、、、。アメリカの他の地域、アメリカ以外はどうなのでしょうか?Bostonに来る日本人留学者は減る一方のようですし、そのほとんどが2年程度の短期留学者です。いろいろな苦労をしてまで他国に留学しなくても、日本でもたくさんの経験ができる、という意見もあるのでしょうが、、、。

様々な分野でグローバル化に向けた取り組みがされていますが、グローバル化ってなんなのでしょうか?日本は他の先進国に比較して、医療分野における基礎研究の論文数が少ない、英語力が乏しく医療産業・技術・治療などのプレゼンスが低いなどとの指摘があります。確かに、こちらに来て(今も)自分の英語力が乏しいことがディスカッションなどで足枷となっています。ですが、問題は英語力だけではないような気がします。留学当初、labでの研究はもちろん日常生活ですらまともにできない状態が続いた時、『日本だったら、、、』なんてことをよく考えていました。コミュニケーション能力が乏しく、また日本の、特に自分自身の狭い価値観でしか物事を考えられていなかったと、と今は反省しています。私が日本で興味を持った集中治療は、日本国内ですら、その治療方針にそれぞれの施設ごとの特色があります。国民健康保険があり、だれでも高額な・最高峰の治療を享受することできる日本の医療をガラパゴス化していると例える人もいますが、本当にそうなのか知りたかったのですが、、、臨床検体を受け取りにしかmain campusに行くことはなく、臨床の現場をほとんど見ることができないのが残念です。幸いなことに、アメリカの医療機関に受診しなければならない状態にまだ陥っていませんが、、、入院費など高額請求が来るとの噂話はよく聞きます。因みに、こちらで加入した医療保険は2人分で約$1450/monthです。これに加えて受診ごとに一定金額を支払います。入院の費用は$2000~3000/day位かかるようです。しかも保険で必ずカバーされるかわからないなんて記事も見かけます。日本でよくある、その日は日柄が悪いから、、なんて理由で入院を伸ばす人はいないでしょうね。

医療におけるグローバル化とは、一体どこを目指すものなのでしょうか?そもそもグローバル化しなければいけないのでしょうか。少なくとも、アメリカの医療制度は目指すものではないと思います。しかし、少ない負担で最高峰/高額な医療を受けることができる現在の日本の医療が国際的なスタンダードになることはないような気がします。まだ行ったことがないヨーロッパの国々はどうなのでしょうか?どのようなレベルの医療が行われているのか気になります。
また、投稿数が少ないと指摘されているアメリカなどの海外雑誌はあくまでその国の雑誌であり、臨床系の研究は厳しいのかもしれません。しかし基礎系なら、、、頑張っていきたいと思います。

さて、今回はまとまりのないことを書いてしまいました。留学することに意味があるかわかりません。ですが、この留学の経験が今後どのように役立つかは、これからの自分次第。せっかくの機会なので頑張って色々経験していきたいと思います。坂本龍馬のように『世の人は、我を何とも言わば言え。我が成すことは我のみぞ知る』という気持ちで,,,。それでは。

時々labに見学に来る学生さんたちは本当に流暢な英語を話して、こちらの人達と自然な感じでコミュニケーションを取っています。素直に凄いな〜と感心してしまいます。モチベーションが高い子が来ているからなのか、教育が変わったからなのか。