留学体験記 -Boston便り:中村 智之 No.2

【留学先】ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院(MGH)麻酔科

寒くなってきました。日本でも寒波で大雪が降っているようですが、ボストンも何度か雪が振りました。昨年末には-17℃、体感-28℃と体験したことのない寒さの日もありましたが、例年よりは暖かいらしく、現地の人に言わせればまだまだ序の口のようです。先日もラボの帰りに、今日は暖かいなと思って気温を確認したら、実は3℃と感覚が少しずつおかしくなってきています。

日本にいた頃は、雪の日にノーマルタイヤで運転するのは犯罪に等しいと思っていましたが、こちらではむしろスタッドレスタイヤを履くことが稀なようです。オールシーズンタイヤという、日本ではあまり見ないタイプのタイヤが主流です。トレッドパターンはパッと見ノーマルで少々不安ですが、除雪後の路面ではそれほどスリップすることもなく運転できます。雪が降り始めると、夜中でも除雪車が出動し、除雪をしながら大量の塩を撒いていきます。そのため、雪が降っても幹線道路はほとんど問題ないようです。

先日の大雪では、近所の野球場のアルプススタンドに子供たちが集まり、ソリで遊んでいました。地元の子供達は多種多様なソリを持ち込み、スノーパークさながらです。結構スピードが出る上に、ジャンプ台を作ったり、大勢で乗り込んだり、衝突したりと見ている方はハラハラでした。

大雪の後は、家の裏の湖が凍りました。こちらでは凍った湖や川の上を歩いたり、スケートするのが当たり前のようですが、氷が割れて落ちてしまうこともあるらしく、朝のテレビ番組で氷に落ちた時の脱出方法が紹介されていました。実際に落ちてしまうと、自力で上がることは困難で、ほぼ助からないようです。アイスピックを両手に持って、歩いてきた方向の氷に突き刺しながら這い上がるんだ、と実演を混じえて言っていましたが、無理だと思います。子供を連れて行く時は縄を付けて行こうと思っていましたが、むしろ自分が落ちて道連れになりそうです。

ボストン近郊には車で1時間ほどの距離にスキー場がいくつかありますが、高い山がないためいずれも小規模です。この冬は4歳の双子をスキーに本格デビューさせるため、約10年ぶりにスキーをしました。キッズエリアか初心者コースがメインでしたが、中級者コースを数回股の間にはさんで上から滑ったら膝が笑ってしまいました。日本ではボーゲンを「足を三角に」と教えますが、こちらでは「足をピザに」と教えるようです。長男はスキースクールで上級者グループに入れ自信になったようで(本当に上手な地元の子は強化チームに入るようですが)、ポケモンをネタに友達も作ってきていました。

これからがボストンの冬本番ですが、遭難しない程度に楽しみたいと思います。

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家の裏のバイクロード

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おそるおそる湖の上へ