そうだ西知多、行こう。No.23

【派遣先】公立西知多総合病院 ICU 【文責】秋山 正慶

だいぶ気温も下がり、日照時間も減って、冬が近づいてきたように感じます。
ここ最近では蘇生に成功した心肺停止、いわゆるROSC後の症例が多く、2日で5症例もコンサルトがきました。しかし、心肺停止からの蘇生後に社会復帰できる症例はとても少ないと感じます。蘇生が成功するには、循環停止となり、発見されるまでの時間や、胸骨圧迫を含めたCPRが適切に行われていたかが、大切なポイントであり、これこそが蘇生後の予後を左右することは医療従事者であれば知っていることですが、一般の方の認知はまだまだであると感じます。大事な家族を守りたいのであれば、BLSの受講は必須であると感じます。もっと学校や会社でもCPRのやり方や、心肺停止の判断ができるように教えるべきだと個人的には思います。

話は変わりますが、DNARの認識が医療従事者でもまちまちであることに気がつきました。基本的な考え方は、心肺停止などになった場合に、胸骨圧迫や気管挿管を含めた蘇生処置を行わない。という治療方針のひとつであると考えますが。DNARの患者はそれだけで気管挿管はしないといった、誤った認識をされていることがあると思います。蘇生時には気管挿管は行うべきではないと思いますが、蘇生でない他の治療に気管挿管が必要な場合は気管挿管をすべきであり、DNARであるから、一切の治療を手控えるといった考え方を持っている人が少なからずいると感じます。こういった認識は、職場の周りの雰囲気や考え方で学ぶことが多く、自分も研修先の病院では誤った認識の医療者が多く、自分自身も間違えた認識をしていた時がありました。

ICU入室中の患者でも、入室するに至った疾患を治療するためには可能な限りの治療を希望するが、もし、心肺停止となった場合は蘇生処置を希望しないといった考えがあってもいいのではと個人的には思います。

ICUは治療をする場所であり、看取りをする場所ではないという考えには賛成ですが、DNARであるからICU入室はできないといった考えには否定的です。
という最近の西知多ICUと個人的な感想でした。

次は2018年ですね、もうあと僅かか。