海外留学体験記:栗山 直英 No.11

くりやまくんの四方山話

【留学先】ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院(MGH)麻酔科

さて、今日は3/28。一時帰国の最終日。飛行機の中で書いています。久しぶりの日本を堪能し、気分もリフレッシュ。今回はいろいろあった一年間を振り返ろうかと思います。

昨年、Bostonに向けて旅立った頃は精神的に非常に不安定で、今まで感じたことがないほど駄目な自分がいました。何の役にも立てていない自分の状況に焦り・不安を感じていましたが、できないものはしょうがないと割り切り、また、家族/Labの皆さんに助けられ、なんとか前を向き始めたのが6月ごろ。研究に対する興味も湧き始め、少しずつ軌道に乗り始めてから、日々が過ぎるのが非常に早くなりました。研究はもちろん英語に関しても一向に目に見える成果が出ていない状態で、今回日本に一時帰国することとなり、正直、気まずい感じもしていましたが、、、。思いのほか日本を楽しんでしまいました。ICUのスクラブを着て病院内を歩いていると、留学しているのがまるで嘘のような感じで、、、違和感なくなじんでいたように思います。医局の先生、他科Dr、NSにBostonはどう?英語は上達した?と度々聞かれました。残念ながら、今の時点で答えられるのは《慣れてきた》《寒いところだった》《英語どころか日本語も怪しくなってきた》だけです。留学あるある的なものもありますが、今の所辛いことが多いので、、、、来年には留学・海外生活の楽しさを伝えられるようになりたいですね。

研究に関して思うこと。大学を卒業し、研修医時代から救急・集中治療に興味を持ち、自分なりに頑張ってきたつもりです。日々の臨床業務に忙殺される中で疑問に思うことは数多くありました。上司に恵まれ?それらの疑問を懇切丁寧な説明で解決していただいたのですが。でもやっぱり納得できないことは沢山ある。本、論文を見ても納得できないことだらけ。特に麻酔の分野は興味があまりないこともあり、、、人の言っている/書いてあることをそのまま暗記しているだけでした。集中治療領域でも日本と全く医療システムの違う海外のdataにどれだけの意味があるのだろうか?あるマーカが異常値であってもその生理学的な意味はどこまでわかっているのだろうか?と思ったり。留学し基礎系の論文を見る機会が増え、本当にいろいろ調べている人がいることに驚きました。
今回藤田に戻り、短い期間ではありましたが研究をしました。共理研の先生方には大変お世話になりました。皆さん、とても親切でMGHで数ヶ月かかるであろう仕事ができました。高性能の顕微鏡など充実した機器があり、丁寧な説明と共に使用できる。これまで知りませんでしたが、藤田はとても恵まれた環境でした。ただ不満に思うこともあります。それは文献検索のシステムです。院内のみで、限られた(購読希望の多い)雑誌しか入手できない。海外はもちろん大学外では全く使えない。どこからでも、たくさんの文献を入手できるシステムを持っている大学は羨ましいですね。まっ、MGHに所属している間はHarvard IDがあるから不便はないのですけどね。(日本語の雑誌はないかな??)同じようなシステムを作るのにどれだけ費用がかかるか知りませんが、できるようにならないかな?

ということで、2年目がstartします。帰ってきたらすっかり雪がなくなっており、春の訪れを感じます。Bostonの生活も今年が最後かも?と思い、目標を高く持って目向きに頑張るつもりです。ではまた。