海外留学体験記:栗山 直英 No.26

くりやまくんの四方山話

【留学先】ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院(MGH)麻酔科

2016年も折り返し、早いものですね。アメリカでの生活にも慣れ、こちらの思考過程も理解できるようになったところなのに。寂しいですが、そろそろ帰国を見据えて仕上げないと。留学当初は、大した覚悟もなく留学してしまったことに対して後悔し、鬱々した気分で毎日を過ごしていましたが、帰国を寂しく感じる時が来るとは! 5月に一時帰国した際に、臨床の現場を久しぶりに見ましたが、戻ることができるか不安です。多くの薬の名称が変わっているので、覚えるのにしばらく時間がかかりそうです。

一時帰国中に、VISA更新で久しぶりに東京の通勤ラッシュを経験しました。地下鉄で2駅だったのですが,,,満員電車に耐えきれずすぐに降りてしまいました。見ず知らずの不特定多数のおじさん達と押し競饅頭、何かあっても逃げ場のない状況。もともと電車は得意ではないのですが、満員電車は耐えきれませんでした。都会では暮らせないですね。電車に乗っていて違和感を感じたのが、車内の雰囲気です。我先に席に座り、皆一様に携帯を取り出し何かしている。しばらくすると無防備に寝始めて、目覚めたかと思うと電車から降りていく。中にはホーム、車内でビールなどを飲んでいる人もいる。久しぶりにみると違和感しかないですね。

さて、Bostonの交通状況はといえば、アメリカでは珍しく?地下鉄が充実しています。私は基本的に車、徒歩で移動するのですが、ごく稀にですが電車を使用します。そう、Fenway parkに野球を見に行く時だけGreen lineという地下鉄を使用します。(住んでいるCharlestownからFenwayまで歩けないことはないのですが、かなり疲れます)こちらのスーパーの店員などはコヒーなどを片手に仕事をしている姿をよく見かけますが,,,なんと、地下鉄の運転手も片手にハンバーガーを持って、食べながら運転しているじゃあないですか。この人が特殊なのか、これが普通なのかわかりませんが、とにかくビックリしました。さて、乗客のマナーですが日本と比較してひどいものです。列はぐちゃぐちゃで、横入りもよくある。大きい声で話す人、音漏れの激しい人などが沢山います。特にOrange lineはひどい気がします。治安が悪いからでしょうが、寝ているひとは殆どいません。良いところは、車椅子、子供連れ、女性に優しいところですかね。席を譲る姿をよく見かけます。

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さて、仕事に関してですがJune 11~14, Austinで開催された39th Annual conference on shockに参加・発表してきました。飛行機をとり忘れていて直前に手配したのですが,,,さすがアメリカ、数日前でもたくさんの選択肢がありました。以前、金木先生からアメリカの飛行機は遅れ、キャンセルが多いという話を聞いていたので、1 stopの少し早めの時間のdelta air lineを予約しました。国内線とはいえIDの確認、手荷物検査などセキュリティーは厳重で思ったより時間がかかってしまい、なんとか無事搭乗できたと思ったら。機体の不具合で出発遅延、もしかするとキャンセルになるかもしれないとのアナウンス。Boston離陸前に乗り継ぎの飛行機に絶対間に合わないことが確定し、乗り継ぎの交渉をどうしたら良いのか途方に暮れつつ3時間遅れでAtlantaに到着しました。乗り継ぎの交渉を憂鬱に思っていたら、Text massageで次の便の予約完了のお知らせが届きました。サービスカウンターにある機械(写真)に、乗るはずだった搭乗券バーコードを読ませたらすぐに次の搭乗券が出てきました。ビジネスにランクアップ!さすが大手、対応が早い。あいにく当日の乗り継ぎ便がない乗客はホテルの予約までやってくれていました。飛行機は遅れるもの、遅れたら次のチケットを手配してもらいそれに乗るだけ。数ある交通手段の中で選んだのはあなたでしょ、ってそんな感じの認識なのですかね? サービスカウンターで待っている間、他の乗客たちを見ていましたが、特に怒っている人などはいませんでした。Deltaの人も淡々と手続き(自分の仕事)をやっているだけ。日本だったら、やたら怒っている乗客、謝り続ける係員といった光景が見えそうなものですがね。対応してくれている現場の係員に怒ってもしょうがないのに。

学会ですが、poster presentationで好中球に関する発表を行い、travel awardを頂きました。金木先生、labの同僚、藤田の麻酔科医局の皆様に感謝あるのみです。ありがとうございました。(折角の平澤先生と金木先生と撮った記念写真なのに、ちょっとピンボケ気味なのが非常に残念)