海外留学体験記:栗山 直英 No.28

くりやまくんの四方山話

【留学先】ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院(MGH)麻酔科

気がついたらもう8月。あと一ヶ月しかないBostonでの生活、カウントダウンの始まりです。青々していた芝生も黄色くなり、何を見ても寂しい気持ちになります。色々と辛いことから始まった留学生活ですが、持ち前の自己肯定能力が発揮され、すべての思い出がいい思い出に書き換えられています。また戻ってきたい、もっと研究がしたい、そんな気持ちになるとは思いませんでした。

さて、毎年夏休みの時期になるとlabにこちらの大学生が実習にきます。約12週間程度、毎日labに来て研究をしています。Medical school, postgraduate schoolに行くための実績作りなのでしょうが、とても真面目で、そしてとても優秀です。自分の夢をしっかり持っており、そのために今何をしなければならないかをしっかり考えています。漠然としたビジョンでアメリカにまで来てしまった自分とくらべると、、、恥ずかしい限りです。こちらに来た当初、好中球に関する講演していただいた先生と話す機会がありました。二年間の短い期間で結果を出すために、君はどんな準備をして来たか、プランはあるのか、こちらでしかできないことは何なのか、日本でどこまでやってきたのか?矢継ぎ早に質問されましたが、何一つ答えを持っていない私を見て、その先生は半ば呆れながら色々とお話をしてくれました。二年間も留学すれば、何かしらの業績をだすことができるのではないか?なんて甘い考えをしていましたね。何もできない、皆がdiscussionしている単語の意味さえもわからない(もちろん日本語のdiscussionです)、そんな人がたかが二年で何ができるのでしょう?留学を甘く見過ぎていましたね。またアメリカに来て、いろいろな失敗をして自分を見直した結果、改めて気づいたのが、物事を単純な結果・結論に帰着させようとする考え方、物事を曖昧に表現して難を逃れようとする/なんとか誤魔化そうとする、こんな自分です。臨床をしていた時とは物事の考え方を変える必要がある、そこがスタートでした。臨床医として働いていると、多少の勤務地の異動はありますが、概ね同じような環境でしか働くことはありません。全く違った環境に身を置くことができたこの2年間、辛いことも多かったですが実りの多いものでした。

真面目な話のあとはどうでもいい話。次回の最終回に持ってくる内容ではないで、今回書くことにした、しかし大切なトイレ事情。アメリカのトイレは場所にもよりますが、比較的きれいです。が、やはり日本と比べると、ん?と思うところがたくさん。まず公衆トイレを探すのが大変。地下鉄にもあるのかな?あんなに大きいショッピングモールなのに公衆トイレは少なく、店に入ってレジで鍵をもらわないと使えない。不便です。中に入っても不思議はたくさん。まずは小便器。とにかく位置が高い、欧米人との差を感じます。不思議なことに、空いている小便器を使用せず、必ず個室を使用する人たちがいる。どこの文化の人たちなのだろう?次に、洋式便座。Washlet機能なんかありません。もちろん音の出る機能も。気をつける必要があるのは流したときの水量が激しいこと。大量の水が勢いよく流れます。汚い話ですが、流したあと、勢い余った水滴が宙を舞います。座ったまま流すと、大変ですね。しかも、田舎の方に行くと流した水自体が黄ばんでいる,,,どういうこと??皆さんもご存知だと思いますが、アメリカのトイレの個室は下側が見える構造になっています。それ以外にトイレの扉も建て付けがアバウトで、隙間がよく空いています。手洗い場の大きい鏡もよく見ると歪みがあり、目が回る感じ。本当にいろいろなところで作りがアバウトな国ですね。いいところは、空間が広いところ。というか、広すぎる。

8月の終わりに当医局(麻酔・侵襲制御)から、中村先生がBostonにこられました。お陰様で、3週間ほど被っているので、わたしが習得した手技などを直接申し送ることができるのですが,,,覚えてもらうことが盛りだくさん。大変です。プロジェクトの立ち上げ、安定した結果を出す、様々なアプローチで確認をする、そして纏める。この一連の作業を完遂するのに何年かかるのやら。

それでは!