人材育成について

「教えられて育った者は、教えるのが好きになる」

photo01

教育は、われわれの得意とするところであり、最も重要視しています。麻酔や集中治療は「”横割り”の医療」であることや「ライフサポートのエッセンスが凝縮されている」ことより、本質的に教育の場としての性質を持ちます。これまでも多くの学生、若手医師、コメディカルスタッフの教育に携わって来ました。教えることが好きでない者には、麻酔や集中治療は務まりません。われわれ自身、厳しくも優しい先輩方に沢山のことを教えられて育ち、今「教えられて育った者は、教えるのが好きになる」という言葉を実感しています。一人の医者が、臨床医として医師人生の中で助けることのできる患者の数は限りがあります。しかし、自分が行った教育がネズミ算的に行われていけば、自分が無限の患者を救うことができる可能性があります。

また、臨床研修制度での麻酔科研修必須化により、全ての研修医と接する機会がわれわれにはあります。医師としての基本的な教育はもちろんのこと、将来どの診療科に進んでも役立つ知識や技術を教えることができます。当然、麻酔・集中治療の魅力や醍醐味については、語りはじめると止まりません。

「逆屋根瓦式」の教育

photo02

学生の教育では、単に知識の羅列ではなく、具体例を上げ、それぞれの対応策をその必要性と根拠を提示しながら進めます。学生に対して、少しでも分からないことや疑問点があれば、遠慮なくありとあらゆることを研修医や若手医師を捕まえて質問してもらいます。まだ医師免許を持たない彼らの質問は、突拍子もないことも含めて、研修医や若手医師にとって、なんとなく分かった気になっていたけれども説明しようとすると説明できないことが沢山あります。彼らは、学生から質問されることで、危機感を覚え自然と勉強を始めます。その過程で、さらに上級医に質問するので、上級医もうかうかできず勉強を始めます。これが「逆屋根瓦式」の教育であり、逆行性に教育を活性化します。