准教授 森山 和広

Profile

出身校(卒年)
岐阜薬科大学薬学部(1983年)
経歴
製薬会社を経て東レ株式会社(1991年-2007年)に勤務。
1994年、世界初のエンドトキシン吸着器(トレミキシン® (PMX))を敗血症性ショックで保険適用取得。2007年に東レ株式会社退社後、欧米へ放浪の旅へ。 
2008年 米国Pittsburgh大学医学部救急医学講座 客員研究員(Dr. J Kellumに師事)、
その後、Gambro株式会社 執行役員 開発部門長として、世界で初めて敗血症性ショックを適用としたhemofilterの治験を行い、2014年にセプザイリス®として新規保険適用を取得。
2009年~藤田保健衛生大学医学部 麻酔・侵襲制御医学講座 客員講師
2015年~藤田保健衛生大学医学部 臨床免疫制御医学講座 准教授
資格
薬剤師、サプリメントアドバイザー、GCPパスポート
所属学会
Society of Critical Care Medicine(米国集中治療学会)、日本急性血液浄化学会(評議員)、日本集中治療医学会、日本救急医学会、日本臨床栄養協会、日本臨床試験学会
臨床免疫制御医学講座 准教授森山 和広Kazuhiro Moriyama
森山 和広

臨床免疫制御医学講座とは

麻酔・侵襲制御医学講座の関連講座として2015年に開設されました。

敗血症治療のための免疫制御法としての新しい血液浄化システム(IMBPS)の基礎研究、臨床開発、治験を行い、新規治療システム(医療機器)の製造販売承認取得、保険償還価格を取得することを目標にしています。

なぜ藤田麻酔・侵襲制御医学講座なのか?

血液浄化法とは集中治療領域では必須の治療法となっていますが、多くは腎代替療法という受け身の治療法としてとらえられています。しかしながら、麻酔・侵襲制御医学講座では、血液浄化法を積極的な治療法として位置づけ、敗血症の病因物質であるメディエータを除去する目的で、新しい吸着材や血液濾過膜の開発を行っています。現在は、敗血症患者の免疫状態を制御するという全く新しい治療概念の血液浄化システムの開発に取り組んでいます。わたしたちは、免疫担当細胞を敗血症の標的として治療法を開発している世界big3の1施設に位置付けられており、まさに世界No1を目指した実用化に取り組んでいます。

仕事の楽しみややりがいは

医療機器の開発には素材企業の研究力と臨床現場の洞察力が相乗的効果的に化学反応を起こすことが大切です。研究の魅力は、その1回、1回の化学反応の楽しさですが、さらに、新製品として上市された場合は、数万人、数百万人の患者を救命できる医療機器となります。これ以上のやりがいはないと思っています。

今後の目標は

IMBPSの基礎検討、in vitro評価結果は英語論文としてPublishされています。豚による安全性評価なども終了しています。いよいよ2018年からは治験の準備にとりかかる計画です。2020年東京オリンピック開幕の時期に向けて、治験症例数を重ねているものと思われます。

藤田麻酔科を考えている入職希望者へのメッセージ

本稿では、IMBPSの開発について書いてきました。藤田麻酔科では日本で唯一のブタを用いた集中治療モデルを構築しています。循環動態、呼吸状態などをICU患者さん同様にモニタリングできるため、治療機器のみならず、薬剤の有効性、安全性を評価する基礎研究にも応用できる技術的プラットホームとなっています。

一流の臨床医であり、一流の研究者としても評価される、そのような目標を持っている有志の入職をお待ちしています。